H—メロディが出尽くしたとは全然思わないですよ。メロディっていうのは、結局はドレミの音の配列ですから、似たもの もいっぱい出てきちゃうのはその通りです。五線譜であらわされるのはあくまでも音階ですけど、そればっかりがメロディではないんです。メロディっていうの はそこに歌詞がついてたり、コードがついてたり、さらにいえば、その時代の空気を含んでいるような響きをもっている。それをトータルしたのがメロディなん ですよね。そのうち、ひとつだけを取り出しても、なんにも面白くない。最近、昔の日本の歌謡曲をよく聴いているんですけど、いいメロディがたくさんある。 いいメロディだなあ、と素直に思うんですが、そこで本当に聴いてるのは響きなんですよ。その時代の空気なんですよね。当時の時代の特性というか、そういう のが含まれた響きなんですね。で、面白いのは、そういう不滅の歌を再レコーディングしたものを聴くと、これがよくないってことなんですよ。なんで感じない んだろうって考えてわかったのは、結局メロディをつくりだす基盤となる、空気としかいいようがないものが必要だってことなんですね。といって空気だけあれ ば、いいというものでもなくて……やっぱりちゃんとしたいいメロディがないとダメなんです。つまり、それは相補的な関係なんですね。
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8 months ago 